ホーム » ITストラテジスト » 午後2 » 論文に嘘を書いてもいい

論文に嘘を書いてもいい

午後2

IT業務の経験がないから論文が書けない。嘘はつきたくないしなぁ。

自分の考えを書けばいいんじゃないかなぁ。

嘘を書いてもいいのか?

「嘘」といわれると言葉が強すぎる感じがしますが、私の解釈では自分の考えを書くことには問題ないと思います。
主に2つの理由からです。

  • 問題文から
  • IPAの意図から

それぞれみていきます。

問題文から

午後2の問題文の最後の一文は、決まって「あなたの経験と考えに基づいて、設問ア~ウに従って論述せよ。」です。この通りに論述する必要があると思っています。

より詳しく意味を調べてみます。

「経験」  (weblio辞書)

1 実際に見たり、聞いたり、行ったりすること。また、それによって得られた知識や技能など。

2 哲学で、感覚や知覚によって直接与えられるもの。

「考え」  (weblio辞書)

考えること。

また、考えて得た結論・判断・予測・決意など。

「基づいて」  (weblio辞書)

原因や発端、根拠などがそこにあるさま。

それを拠り所としているさま。

「経験」をもう少し詳しくみてみます。反対語を調べると、「思弁」です(”しべん”と読みます、知らなかったなぁ)。

「思弁」  (Oxford Languages)

経験によらず、頭の中で理性だけに訴えて考えること。

「考え」がポイントになりそうです。

「経験」は考えないで実際にやったこと。「考え」は考えること。「経験」と「考え」はお互いに補い合っているようなイメージに感じます。

論述する内容は、私が経験したものでもいいし、私が考えたものでもいいので、ほぼなんでもありなように感じます。ダメなものをあげるとしたら、自分で経験も考えもせずに、AI chatの文章を写してしまうことくらいでしょうか。試験会場でそんなことは、あまりないと思いますけど。

自分が考えたものを嘘だと解釈する人がいるかもしれません。その嘘も、自分が考えた嘘であれば、それは自分の「考え」になると思います。

私の場合は、IT業務未経験ですので、業務上の経験はありません。いろいろ本や資料を探したり読んだりする経験はしています。この経験を通じて、自分で考えたことに基づいて論述することは、禁じられてはいないと考えています。私は自分の考えを多く書きましたが、実際に合格できています。

IPAの意図から

本当に業務経験者だけに資格を与えたいのであれば、試験の申込に業務経歴書などの提出が求められているでしょうけれど、今のところそうはなっていません。

IPAは独立行政法人情報処理推進機構の略で、ITストラテジストなどの情報処理技術試験を事業のひとつにしている組織です。

IPAの試験概要のサイト(https://www.ipa.go.jp/shiken/about/gaiyou.html)には、

情報システムを構築・運用する「技術者」から情報システムを利用する「エンドユーザ(利用者)」まで、ITに関係するすべての人に活用いただける試験として実施しています。

とあります。IT技術者だけに向けた試験ではなく、エンドユーザー(ほとんどの人になると思います)も対象にしています。

試験の目的には

情報処理技術者として備えるべき能力についての水準を示すことにより、学校教育、職業教育、企業内教育等における教育の水準の確保に資すること。

ともあります。

IT業務未経験者が、情報処理技術に興味を持ち、教育水準を上げていくことは、IPAが望むところでもあると、私は思います。

さいごに

「論述する内容を業務で経験していないから、嘘が混ざってしまう」などと考えることはないと思います。もし「あなたの経験に基づいて、設問ア~ウに従って論述せよ。」となっていて、「考え」がなかったら、嘘は書いちゃダメになる可能性が高くなりそうですけど。試験問題はそうなっていません。

「あなたの経験と考えに基づいて」書けばいいのです。

今回は倫理的な観点で論文について書きました。何を書いてもいいけど、それで合格できるかどうかはまた別の話です。内容面については次の記事を見てみてください。

お読みくださりありがとうございました。

タイトルとURLをコピーしました